自己調節鎮痛法(PCA装置)導入のお知らせ

2012/5/1

産婦人科では、陣痛や手術などの痛みを伴う出来事がいくつか存在します。これらは皆様にとって辛いものだと思います。陣痛は自然なものでありますので、ご家族など力を合わせて頑張っていただくことも多いのですが、最近は無痛分娩のご希望も増えてきております。昨年、10月から計画的に行う無痛分娩(詳細はホームページを御覧ください)を開始しておりますが、それ以降すでに25名の患者様に無痛分娩をおこなってきました。それ以前におこなった陣痛開始後の無痛分娩を含めると50名以上の患者様に無痛分娩をおこないました。無痛分娩や術後の鎮痛には硬膜外麻酔(背中にチューブをいれて局所麻酔薬で痛みをとる方法)を主に用いております。

これまでは風船状のタンクで麻酔薬を持続注入したり、必要に応じて随時追加をしたりしてきましたが、今月より麻酔薬の注入に用いる新しい装置(PCA装置:patient controlled analgesia)を導入いたしました。この装置は持続的に入れるお薬の量を正確に調節することができ、さらには痛みが辛いときには患者様が自分でボタンを押して薬を追加することが出来るのです。

つまり、その都度スタッフに痛みを訴えなくても自分で調節できるということです。当然、安全のために追加できるお薬の量や回数は制限されていますのでご安心ください。また、それでも効果がなければ、お薬の量や内容を変更して対応していきます。最近は麻酔薬に加える鎮痛剤も、以前のお薬に加えて新しい有効なお薬を使用しております。
先月のPCA装置の導入以来、無痛分娩をはじめ患者様の評価は上々で大変ご満足いただいております。皆様にも機会があれば使わせていただくことになると思いますのでお知らせいたします。
今後も、痛みの管理には更なる工夫を重ねて対応していきたいと考えております。どうぞ宜しくお願いいたします。

2.無痛分娩での出産に至るまでの経過について

医療法人 慈久会 たかせ産婦人科
2012.5月 高瀬規久也