当院の実績について

当院における分娩統計 2018.1

2000年(平成11年)11月の開院以来、2017年(平成29年)12月までの約17年間の間に6740名お産まれになりました。 今回はこれを総括し見直し皆様にご報告させていただくとともに、私どもの今後の診療指標としても活用してゆきたいと考えております。
ご来院いただいた多くの患者様には、心より感謝申し上げるとともにお子様の健やかなる成長をスタッフ一同願っております。

1.初産婦と経産婦の比率(6740名)

総数6740名の出産のうち、初産婦さんは3186名(47%)経産婦さんは3553名(53%)と少し経産婦さんの方が多めでした。
経産婦さんのうち1548名(総数の23%、経産婦さんの30%)が前回も当院でお産をされているリピーターさんでした。
その中には、当院で5名のお子さんすべてを出産された方もおられました。また、4回とも当院で帝王切開での出産をされた方もおられました。
このように、繰り返しお越しいただけることは誠にありがたいことで、おお互いの関係も密になりスムーズなお産や育児スタートに寄与したものと思われます。

2.出生児の性別(6740名)

3499名(52%)が男児、3240名(48%)が女児でした。
昨年の全国統計をみても、男児:女児は52%:48%でしたので平均的割合といえると思います。
最近では、性別を産み分ける希望をされる方も増えていますし、環境因子やさまざまな要因が性別に影響を及ぼす可能性があるものと思われます。

3.分娩様式(6740名)

自然分娩(経膣分娩)で出産された方が5364名(84%)をしめています。骨盤位(逆子)や前回帝王切開分娩をされているなどの理由で帝王切開で出産された方752名(11%)でした。
微弱陣痛などのために胎児が出てこれない場合や胎児の状態が不安定なために分娩を急がないと危険なために吸引分娩を選択した方が672名(10%)ありました。
最近では、無痛分娩の増加に伴って吸引分娩が増加する傾向にありますが、詳細は無痛分娩の項を御覧下さい。

4.帝王切開となった理由(752件)

帝王切開総数752件の内、前回帝王切開をうけておられる方が324件(43%)ともっとも多くを占めています。これには、後にお示しするVBAC(帝王切開後の経膣分娩)が不成功に終わった374件も含まれております。
次に多いのは、骨盤位(逆子)が209件(28%)を占めています。
その他、児頭骨盤不適合(骨盤が狭くお産が困難な場合)で185件(25%)、胎児機能不全(お産の際に赤ちゃんの状態が不安定になることです)での帝王切開が26件(4%)ありました。
最近では、出産に関しては安全性がもっとも重視されるあまりに帝王切開率が上昇しております。手術の必要性を正確に判断することは非常に重要でありますし、その選択も時によっては一刻を争うような場合もございます。そのような中でも、当院ではVBACへの取り組みや妊娠分娩管理の充実により帝王切開率を少しでも下げれるよう努力して参りました。
今後も当院での重要課題のひとつとして取り組んでいきたいと考えております。

5.VBAC(帝王切開後の経膣分娩)(97名)

前回帝王切開で出産されていても、手術となった理由やその後の経過、また今回の妊娠の状況によっては経膣分娩が可能な場合があります。詳細は担当医にご確認ください。
当院では前回帝王切開で出産された方が324名おられ、その内97名(31%)の方がVBACをご希望になられました。しかし、ご希望通りに経膣分娩をされた方が60名(61%)で、残りの37名(39%)の方は帝王切開での出産となりました。
これらの方で異常のために帝王切開となった方は1名もおられませんでした。VBACでは安全のために通常のような陣痛促進が行えないために、分娩予定日をすぎても陣痛がおこらない場合は帝王切開を選択することになりますのでご了承ください。

6.促進分娩の理由(1872例)

当院では、原則的に自然陣痛を待ってお産をしていただいております。
しかし必要があれば、母児の安全のためには陣痛促進を必要とする場合がございます。これまで、1872名(経膣分娩の内34%)に陣痛促進を行っております。その内訳は、分娩予定日を過ぎても陣痛が始まらず、出産が妊娠42週を超える可能性がある場合が647名(36%)と最も多く、次いで陣痛が始まっているも微弱なためにお産が進行しない場合が684名(37%)、破水後にもかかわらず陣痛がおこらない場合278名(15%)となっております。
その他、計画的無痛分娩での陣痛促進を263例(12%)に行いました。
一部には必要性が重複した例もございましたが、主な理由にかぎり報告させていただきます。

7.無痛分娩について

以前より当院では無痛分娩を行っており、これまで424例の実績がございます。
この際行う硬膜外麻酔は帝王切開時にも基本的には全例に行っており、当院では752例の実績となっておりますが、幸いにも麻酔に伴う副作用は発生しておりません。このような経験を踏まえ、平成23年より計画的無痛分娩に取り組んでいます。
これは陣痛の始まる前に入院していただき、麻酔や陣痛促進の準備をしたうえで出産をしていただくものです。 この計画的分娩の開始以来378例の出産がございました。当初は分娩総数の7%に過ぎませんでしたが、一昨年は31%、昨年は33%と増加傾向です。昨年度より、自然陣痛の発来を待って無痛分娩を行う待機無痛分娩も始めました。
ご希望されたのは9名(無痛分娩中11%)の方でした。また、陣痛開始後に急遽ご希望により無痛分娩を行った緊急無痛分娩の患者様も昨年度6名(無痛分娩中7%)おられました。
無痛分娩時には麻酔効果の為陣痛やいきみ感が分かりにくくなったり、微弱陣痛のこともあり吸引分娩を併用することがあります。昨年は 無痛分娩全体のうち30%が吸引分娩となりました。
以前のの33%より吸引分娩率は減少しています。無酔分娩時の吸引分娩率9%に比較すると高率ですが、麻酔薬の使い方などの工夫により減少傾向にあるものと考えております。
さらには、無痛分娩時に吸引分娩となった患者様の80%は初産婦さんで、経産婦さんでの吸引分娩率13%と低値でした。
今後も麻酔量の調整や子宮頸管拡張法の工夫などにより、より無痛分娩のデメリットを減らす工夫をしていきたいと思います。
その中でも、最も重要なことは安全であることです。昨年、無痛分娩時の副作用報告がとりだたされたことを受けて、無痛分娩を安全に行うための指針を掲載しておりますので、別途ご覧下さいますようお願い申し上げます。
当院では今後も皆様のご要望にお答えできるよう、お産のひとつの選択肢と捉え、これからも取り組んでゆきたいと考えております。
また、患者様へのアンケートやスタッフによる鎮痛効果や出産の評価、または自己調節鎮痛に用いるポンプの使用状況などにより無痛効果の判定の行っており、これらの結果についても随時皆様に御報告させていただいております。
ホームページにも掲載されておりますので御覧くださいますようお願い申し上げます。

当院における立ち会い分娩について(2018.1)

立会い分娩について

里帰り出産やご都合などにより、ご家族の立ち会いをされない方もおられますが、年々立ち会い分娩の比率が上がってきています。帝王切開時の立ち会い率も可能です。
ご家族の支えのもと、力を合わせてご出産いただけることは、誠に喜ばしいことでございます。
育児をともに頑張る上でも、立ち会い分娩は意味があるかと思います。
お子様の立ち会いもここ数年30%以上を維持しています。
また、ご主人様に出産後臍帯切断をしていただく事も可能です。
皆様もご出産にあたり、是非ご検討下さい。
どうぞ宜しくお願いいたします。

硬膜外麻酔を用いた無痛分娩についての評価 2018.1月

2012.5月よりPCA装置(麻酔薬の注入に用いる機械)を導入し、無痛分娩と帝王切開術後鎮痛に用いてきました。
また、患者様にはアンケート形式で御意見をいただき、スタッフによる効果判定やPCA装置の利用状況などを加えて評価いたしましたのでご報告申し上げます。

以前より硬膜外麻酔による無痛分娩をおこなって参りましたが、2011年6月よりは計画的無痛分娩にも積極的に取り組んできました。そんな中、2014年は50件、2015年は81件、2016年は92件、2017年は82件の無痛分娩を行いました。
そのうち昨年1月から12月に行った症例中、患者様からのアンケートを回収できた70件とスタッフ評価表82件による評価結果をご報告させていただきます。

① 対象:2017.1月から2017.12月までに無痛分娩を行った症例

82例(全分娩の33%):初産婦さん43名(初産婦全体の43%)、経産婦さん39名(経産婦全体の21%)

ここ数年の推移を(表1)にお示しします。

総数では初産、経産の差はなかったものの、初産婦さんの方が希望される率は高い傾向でした。

1.緊急無痛分娩:6名(7%)

麻酔を予定していなかったものの、陣痛発来後に急遽無痛分娩を希望された場合を緊急無痛分娩と呼んでいます。
それ以外の76名(93%)の患者様は、妊娠中からの計画通り無痛分娩を行いました。
その中には、入院をあらかじめ決定して陣痛促進下に無痛分娩を行う計画的無痛分娩と陣痛がおこってから麻酔を開始する待機無痛分娩があります。

2.計画的無痛分娩:67名82%

計画的な陣痛促進に先立って陣痛が始まったり、破水により入院となった方が11名(15%)おられましたが、来院後1時間で出産になられて方以外は、予定どおり麻酔を行うことができました。
またこの11名中5名(45%)には、予定していた子宮口開大や陣痛促進が必要でしたが、経産婦さんは1名のみでした。
その他、子宮口開大の処置後に陣痛がおこりお産に至った方は7名(12%)おられましたが、70%は経産婦さんでした。
また陣痛促進前に麻酔を開始した方が36名(58%)おられ、初産婦さんでは72%、経産婦さんでも43%でした。
無痛分娩をご希望された方のうち、1名は骨盤が狭いなどの理由で帝王切開分娩を選択することになりました。

3.待機無痛分娩:9名(11%)

昨年度、待機無痛分娩を行った中で麻酔が間にできなかった方はおられませんでした。痛みが始まってから麻酔を行うため、十分な効果を得られるまでには時間が必要です。
また、急激に痛みをとることは赤ちゃんにも負担がある場合がございますので少しずつ確認しながらお薬を追加していく必要があります。
しかし、スタッフの評価では計画無痛と待機無痛では最終的な鎮痛効果には大きな差はありませんでした。
陣痛はおこったものの、経産婦さんの20%、初産婦さん80%には微弱陣痛のため分娩促進剤が必要でした。うち1名の初産婦さんは予定日超過のために誘発分娩となりました。
吸引分娩率は計画無痛では25%でしたが、待機無痛では36%と待機無痛の方がやや高い傾向でした。
また、陣痛が来ている状態で硬膜外麻酔の処置を行うことが辛かったというご意見もありましたが、逆に痛みが和らぐことで麻酔の効果が実感できたとのご意見もありました。

表1 <無痛分娩を希望されました初産婦・経産婦の内訳>(単位:人)
2014年 2015年 2016年 2017年
初産婦 23(46%) 46(57%) 44(48%) 43(52%)
経産婦 27(54%) 35(43%) 48(52%) 39(48%)
総数 50 81 92 82

②上記対象のうち、患者様よりアンケートが回収可能であった70名について、またスタッフ評価が可能であった82名についてご報告いたします。

無痛分娩を選択された理由について

お産、特に陣痛に対する不安を上げた方が大半でした。特に、経産婦さんは前回の出産が大変であったご経験や、他院で無痛分娩をご経験から選択されたかたが多かったです。
その他、産後の体力回復を期待して選択した方などがおられました。陣痛開始後に無痛を行った方は、お産に比較的時間がかかった方が多く、これ以上の痛みや経過に耐えられなくなり不安が生じたために選択された方がほとんどでした。

患者様アンケートからみた痛みについての評価(70例)

有効であったと答えた方が59名(84%)でした。その半面、すごく痛かったと答えた方が11名(16%)でした。この11名のうち6名が経産婦さんで、お産の経験による差はありませんでした。今回は待機無痛分娩の中で、痛みのコントロールが充分に出来なかったと感じられた方が多い傾向でした。その反面、まったく痛みがなかったと感じた方が10名(14%)おられました。

痛みについての評価(患者様の評価)
グラフ1

スタッフ評価表からみた痛みについての評価(82例)

有効であったと判断した例が74例(90%)、効果が充分でなかったと判断した例は8例(10%)でした。さらに、ほとんど痛みがなくかなり有効であったと判断した例は30例(37%)ありました。

痛みについての評価(スタッフの評価)
グラフ1

以前は患者様アンケートの結果とスタッフの評価は少し異なっていました。つまり、スタッフが有効と判断していても、患者様はもっと痛みをとりたいと感じておられたということです。
しかし、最近はお産をするためにいかに陣痛が必要か、また吸引分娩を減らすために出産間近の陣痛やいきみ感が必要であることを皆様にご理解いただくようご説明させていただいております。これにより、患者様の無痛に対する期待度とスタッフの評価した有効度が近づいてきたものと考えております。

また、自己調節鎮痛にあたり自分でボタンをおして薬を追加することが可能ですが、実際にはお薬が入る間隔や量は安全な範囲に調整されています。ですので、痛みが強くなるとボタンを押す回数が多くなり、実際にお薬が入る回数以上にボタンを押されることがあります。このような方は32名(39%)でした。
やはり陣痛が強まるにつれ麻酔薬の追加が必要ですが、それも痛みが強くなりはじめた際の一時的にすぎず、お薬が充分に足りてくるとまた落ち着いた状態になられる場合が大半でした。
以前は最高では42回追加ボタンを押された方がおられましたが、昨年は5回以上追加された方が38名46%を占めていました。2回以下の方も17名21%、一度も追加されなかった方は4名おられました。(表2)にお示ししたように、やはり初産婦さんは出産にも時間を必要とし、経産婦さんよりも多く追加される傾向でした。

表2 <自己調節による麻酔薬の追加回数>(単位:人)
5回以上 3~4回 1~2回 0回
初産婦 22 14 5 1
経産婦 16 8 12 3
全体を占める割合 46% 27% 21% 5%

無痛分娩を行うにあたっての問題点

スタッフ評価より下肢のしびれがまったくなかった方は20名(24%)でした。それ以外の方は軽度のしびれ感がありましたが、単独での歩行困難な方は8名(10%)でした。このような場合には、麻酔を一時中断したり減量して対応するとしびれ感が和らいできます。少ししびれるぐらいが効果は高いように思います。

しかし、やはり麻酔が強く効くと陣痛が来ているのがわかりにくかったり、お産の際のいきみ(力をいれてきばること)ができなくなることがあります。このような方が、3名(4%)のみおられました。

また、硬膜外麻酔に使用するチューブの挿入時の痛みが辛かったと答えた方が10名(15%)、誘発分娩に先立って行う子宮頸管の拡張が辛かったと答えた方が20名(24%)おられました。
お産をスムーズにすすめるためには必要なものではありますが、やはり痛みを伴う処置だと思います。一昨年より採用した子宮内にいれる風船(バルーン)は痛みに軽減に寄与したものと思われます。また、バルーンの容量や挿入のタイミングなど今後も工夫をしていきたいと思います。
次回も出産される場合には無痛分娩を選択されますか?との質問には、64名91%が次回も無痛分娩を希望されるとの回答でした。
4名はどちらともいえない、また2名は希望しないとの回答でした。やはりご希望いただく限りは、充分に満足のいく結果が得られるようさらなる工夫をしてゆきたいと思います。

総括

以上のように、硬膜外麻酔は無痛分娩にはきわめて有効な方法です。当院ではこれまでに、無痛分娩で424例、帝王切開で752例の硬膜外麻酔を行っており、特に異常はおきておりません。
しかし麻酔や陣痛促進のために行う処置には、痛みなどの負担や経済的負担以外にも多少なりとも危険性を伴います。安全性を確保するため今後も努力してゆく必要があります。
具体的には、無痛分娩を安全に行うための指針を公表しておりますので御覧下さい。また陣痛が微弱なために、子宮口全開後も分娩に時間がかかったり、いきみがうまくできなかったりしたために吸引分娩となった方が25名(30%)おられました。これは以前の結果33%からは減少しております。しかし、当院での普通分娩での吸引分娩率が9%であるのと比較すると高率です。
他施設の報告では、無痛分娩時の吸引分娩率は50-60%程度の施設もあり、これと比較すると当院では低く抑えられているものと思われます。これも前述したように、出産間近の陣痛やいきみ感が必要であることを皆様にご理解いただくように努めてきた結果かと思われます。
さらには、無痛分娩時に吸引分娩となった患者様の80%は初産婦さんで、経産婦さんでの吸引分娩率は13%と普通分娩と同等でした。さらに、 麻酔時の下肢しびれ感のなかった方が、今回の報告では24%と減りました。
更なる工夫により、これらの成績も改善できるように勤めていきたいと思います。そのためには、患者様が陣痛を自覚することができ、自分の力でお産ができる感覚を維持することが重要です。
つまり、無痛分娩でもそれなりの痛みを自覚する必要があるということです。患者様の中には、無痛分娩はまったく痛みのないお産だと期待されている方もおられると思いますが、けしてそうではないのです。陣痛を乗り切るひとつの手段とお考えいただければ幸いです。

しかし、計画的に出産を進めることに伴う負担を感じておられることも事実と認識しております。この対策として昨年度より、陣痛を待機した後に行う待機無痛無痛分娩にも取り組んで来ました。特に初産婦さんの場合は分娩にも相当の時間を要するため麻酔の準備のできる時間的余裕もある場合が多いです。しかし、経産婦さんでは陣痛開始後には非常に順調にお産になられる方もおられますので麻酔が間に合わないことも想定されましたが、、昨年麻酔分娩を予定していた方で麻酔が出来なかった方は2名だけでした。このような問題点をご理解いただきながら、皆様のご希望にそった形でも無痛分娩の取り組みを開始したいと思います。詳細は担当医、スタッフにお聞き下さい。

理想的な無痛分娩とは、辛い痛みをとりながらご自分の力でお産が出来るものではないかと思います。しかし、痛みの感じ方や経過は様々です。その皆様のご希望に添えるように工夫していくことも重要であると考えております。

最後に文献から見た無痛分娩における医学的メリット・デメリットをお示ししておきましょう。

メリット

  1. 高年初産や妊娠高血圧症候群などの、ハイリスク妊娠に有用。
  2. 赤ちゃんが産まれてから胎盤が出るまでの時間(分娩第3期)が短い。
  3. 外陰部の伸展効果のため、児頭下降や吸引分娩操作が容易である。
  4. 外陰部の麻酔効果により、産後の創部縫合などの処置がしやすい。
  5. 母体の体力が温存され、産後早期より赤ちゃんとかかわれる。

デメリット

  1. 麻酔薬や操作にともなう副作用に注意が必要。
  2. 吸引分娩率が高い。産道での児頭回旋異常率が高い。
  3. 微弱陣痛になりやすく、陣痛促進剤使用率が高い。また、分娩までの所要時間も延長する傾向にある。

自然分娩と違いを認めない点

  1. 緊急帝王切開となる率や分娩時の出血量には相違がない。
  2. 新生児に対する影響についても差はないとされている。
    逆に、分娩時の痛みは胎児への酸素供給量を減少させるので効果的な無痛分娩は胎児にもメリットがある可能性もある。

以上のような結果をふまえ、無痛分娩の選択をご検討いただければと思います。

H29年度 当院におけるメンタルケアーの現状

近年、精神的不安をかかえておられる方や投薬治療を必要とする方が増える時代の中それらの方の妊娠・出産・育児にあたり、これまでとは違った支援や関わりが必要となって来ています。
これをメンタルケアーと呼んでいます。
当院では、妊娠初期(SDSテスト)と産後1ヶ月健診(EPDSテスト)に心理テストによるスクリーニングを行っております。
これらの成績をご報告させていただきます。

1.妊娠初期(SDSテスト)

335名にテストを行い、187名(55.8%)が基準を上回る結果でした。
これらの多くは悪阻症状によるものが多く、悪阻の軽快により不安は解消されました。
悪阻以外に原因が考えられる場合には、テストを再度行ったり専任の受持ちスタッフを選びより多くの機会にご相談いただくようにしております。
ご希望により、臨床心理士による心理カウンセリングを実施しております。
受持ちスタッフが対応した患者様は37名(77%)心理カウンセリング療法を行った患者様は7名(2.1%)でした。

2.産後1ヶ月検診(EPDSテスト)

261名にテストを行い34名(11.4%)が基準を上回る結果でした。
これらの中には10点以上の高得点の方が27名おられ、そのうち自治体の保健師と連携を取り支援を必要とされた方が、7名(2.7%)おられました。
これからも細やかなメンタルケアーを通して、皆様の安全・安心なお産と育児に関わってゆきたいと思います。
是非、皆様のご協力をお願い申しあげます。

当院における授乳状況について(2018.2)

栄養方法の内訳

母乳栄養について

当院では、母乳栄養を推奨し、取り組んでいます。
例年、母乳栄養について、退院時、2週間健診時、一ヶ月健診時で確認を行っています。
結果、一昨年、昨年ともに母乳率は全国平均程度ですが、昨年は混合栄養率が一ヶ月健診時に53.4%(初産婦さん66.6%、経産婦さん43.8%)と一昨年より高率でした。
混合栄養率が上昇している背景にはライフスタイルの変化による授乳への関わり方が変わってきていると思われます。
女性の就業率の増加、核家族化、出産年齢の上昇などの影響などが考えられます。
しかし、母乳は、栄養を与えるという目的以上に母児関係を築く上で重要です。
このため、当院では母親のニーズにこたえながらも母乳栄養を取り入れられるよう支援していきます。

妊娠時にバースプランとして授乳に対する希望をお聞きしていますが、その中では、「出来るだけ母乳で育てたい」というご希望が大半です。では、出来るだけ母乳で育てていく為には、
①妊娠中から適切なおっぱいケアを知り、実施していく。
②出産後出来るだけ母児同室で、ベビーが泣いたらいつでも授乳する。
③おっぱいが出始めたら、ミルクを足し過ぎないようにする。
ということが、必要になります。

そして、母乳育児に悩んだ時には、退院されてからも、2週間健診や1ヶ月健診、母乳外来等で相談していただくことが出来ます。
授乳への取り組みは、個人差がありますが、お母さんがリラックスして楽しみながら、母乳育児に取り組んで頂き、さらなる母乳率の上昇に努めていきたいと思っております。

当院産後ケアの現状

近年、育児を取り巻く環境は厳しくなりつつあります。
当院では、産後のサポート不足、リフレッシュ、育児技術の習得を目的とした当院独自の産後ケアサービスをH26年10月より実施して参りました。
社会のニーズも高まり、H27年10月に大阪市が産後ケア事業に対する助成を開始し、次いでH29年6月には豊中市、吹田市が助成を開始しました。
当院も市の審査基準をクリアし、認定施設として登録を受けています。
それに伴い、サービスの開始からH27年は9名だった利用者が、H28年には11名、H29年には35名と利用者の中には、当院以外でご出産された方も19名(55%)おられます。
育児不安や様々な理由で精神的にしんどさを抱えた方も多く、臨床心理士による心理カウンセリングも実施し、地域の保健師との連携も行っております。
今後も、皆様のニーズを踏まえ、きめ細やかな産後ケアサービスを行えるよう努めてまいります。

利用者内訳

利用者内訳

利用目的内訳

利用目的内訳

利用日数内訳

利用日数内訳